eラーニングを自作する方法
小さく始めて社内で続けられる教材づくりの進め方
研修や教育の内容を、社内で作って配信できる eラーニング にする進め方を、専門の制作チームや大がかりなシステムを前提とせずに整理します。まず小さく始めたい総務・人事・教育・現場の担当者の方に向けた実務ガイドです。動画編集やシステム構築の専門知識は前提としません。
所要時間:7 分 / 最終更新:2026 年 6 月
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セクション 1
なぜ eラーニングを「自作」するのか
eラーニングは、外部のコンテンツや制作サービスを利用する方法もあります。それでも社内で自作する選択肢が検討されるのは、自社の業務に即した内容を、自分たちのペースで整備し続けられるためと考えられます。
学ぶ機会を「人と時間」に縛られなくする
集合研修や OJT は、教える人の都合と受ける人の都合が合わないと進みません。一度 eラーニングにしておけば、受講者は自分のタイミングで学べ、教える側も同じ説明を繰り返さずに済みます。新しいメンバーが入るたびに人を拘束せずに済むのが、教材化の基本的な利点です。
自社の業務に即した内容を社内に蓄積できる
汎用的な教材では、自社特有の手順・ルール・現場の事情まではカバーしきれないことがあります。自作なら、実際の業務に即した内容で教材を作り、ノウハウを社内に資産として残していけます。担当者が異動・退職しても、教材として形に残るのが強みです。
小さく始めれば特別な体制がなくても回せる
eラーニングというと大がかりなシステム導入を思い浮かべがちですが、必ずしも最初から大きく始める必要はありません。手元の研修資料を 1 本の教材にするところから始めれば、専任のチームがなくても、通常業務の延長で運用していけます。
※ 法令で内容や様式が細かく定められている教育や、受講証跡を厳密に管理する必要がある研修は、自作の前に要件を確認しておくと、後から作り直す手戻りを防げます。
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eラーニングを構成する 3 つの要素
eラーニングを自作するときは、「教材コンテンツ」「配信・受講管理」「運用・更新」の 3 つに分けて考えると、どこから手をつけるか整理しやすくなります。最初からすべてを完璧にそろえる必要はなく、まず教材から着手するのが現実的です。
| 構成要素 | 役割 | 自作での進め方 | 進めるときのポイント |
|---|---|---|---|
| 教材コンテンツ | 受講者が実際に学ぶ中身 | スライドを軸に作り、伝わりにくい部分はナレーションや動画を付ける。手元の研修資料・マニュアルを再利用すると早い | ゼロから作らず、既存資料の整理から始める |
| 配信・受講管理 | 教材を届け、受講状況を把握する | まずは MP4 やファイルの共有から始め、受講記録が必要になったら LMS に SCORM 形式で登録する | 最初から大きなシステムを入れず、必要になってから足す |
| 運用・更新 | 内容を最新に保ち、続けられる形にする | 1 テーマ = 1 本に分けて作り、内容が変わった部分だけ差し替える。台本を残しておくと改訂が楽になる | 改訂が前提。作り直しやすい構成にしておく |
※ 「配信・受講管理」は必ずしも専用システムが必要なわけではありません。社内で完結する小規模な研修なら、ファイル共有や社内ポータルで配るだけでも eラーニングとして成立します。
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実務の進め方 — まず 1 テーマだけ作ってみる
eラーニングの自作でつまずきやすいのは、最初から全社の研修体系をそろえようとして動き出せなくなるパターンです。まずは需要の高い 1 テーマに絞り、教材を 1 本作って配ってみると、自社に合った進め方や負担の見当がつきます。
よく説明している内容を 1 つ選ぶ — 新人に毎回同じ説明をしている、問い合わせが多い、といった「繰り返し教えていること」は、教材化の効果が出やすいテーマです。まずはそこから 1 本作り、運用しながら範囲を広げていくと無理がありません。
既存資料をスライドに整理して教材化する — 多くの教材作成・動画化ツールはスライド(PowerPoint)を素材として扱います。研修資料やマニュアルがある場合は、「1 画面 = 1 メッセージ」を目安にスライドへ整理すると、そのまま教材の土台になります。
ナレーションは目的に合わせて選ぶ — 自分の声で録音する、台本から合成音声(TTS)で生成する、といった選択肢があります。本数が多い・改訂が頻繁・多言語で用意したい場合は、台本を直せば作り直せる合成音声(TTS)が運用しやすい方式です。
研修動画の作り方 — 6 ステップの実務ガイド
教材の中心になる動画コンテンツの作り方は、企画 → 台本 → スライド → ナレーション → 書き出し → 配信の流れで別ガイドに整理しています。台本の書き方やナレーションの選択肢の比較もこちらでどうぞ。
研修動画の作り方を読む →セクション 4
作った教材をどう配信し、受講を管理するか
教材ができたら、次は受講者にどう届けるかです。受講記録(誰がどこまで学んだか)が必要かどうかで、向いている方法が変わります。小さく始める場合は、まず手軽な共有から入り、必要になってから受講管理を足す進め方が現実的です。
ファイル・動画をそのまま共有
手軽さ重視MP4 や資料を、ファイルサーバー・社内ポータル・チャットツールで共有する方法です。追加のシステムが不要で、すぐに始められます。一方で誰が視聴したかは記録されないため、受講状況の把握は別途必要です。まず配ってみたい段階に向きます。
LMS に SCORM 形式で登録
受講管理重視LMS(学習管理システム)に SCORM 形式で登録すると、受講者ごとの完了ステータスや視聴状況を LMS が自動で記録します。安全衛生やコンプライアンスなど「実施した証跡」が必要な教育で標準的な方式です。無料・オープンソースの LMS もあり、小規模から試すこともできます。
SCORM 1.2 入門ガイド
受講管理を考えるうえで避けて通れないのが SCORM 規格です。SCORM とは何か、なぜ重要か、対応 LMS、書き出しの流れまでをまとめた入門ガイドをご用意しています。サンプル SCORM 1.2 パッケージも無料でダウンロードできます。
SCORM 1.2 入門ガイドを読む →セクション 5
つまずきやすいポイント
eラーニングの自作を進めるときに引っかかりやすい点を、先回りして 3 つ挙げておきます。
最初から作り込みすぎない — 凝った演出や編集に手をかけるほど、改訂のたびに同じ負担がかかります。まずは内容が伝わる最小構成で作り、運用しながら直していけるよう、作り直しやすい方式を選ぶのが現実的です。見た目の完成度より、まず 1 本配って使ってもらうことを優先します。
1 本に詰め込みすぎない — 研修内容を 1 本の長い教材にまとめると、見返しづらく、一部を直したいだけでも全体を作り直すことになりがちです。テーマや章の単位で分け、1 テーマ = 1 本にしておくと、改訂時も該当の 1 本だけ差し替えれば済みます。
「作る」だけでなく「続ける」体制を最低限決めておく — 誰が内容を更新するのか、いつ見直すのかを決めておかないと、教材が古いまま放置されがちです。担当と見直しのタイミング(例:年 1 回、制度改正のたび)を最初に決めておくと、作りっぱなしを防げます。
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よくある質問
eラーニングの自作に専用のシステムは必要ですか?
教材は何から作り始めればよいですか?
ナレーションは自分で録音する必要がありますか?
受講した人や進捗を記録することはできますか?
多言語の教材も自作できますか?
ご紹介
eラーニング教材づくりに使えるツールのご紹介
当社の Insight Training Studio は、PowerPoint を素材として研修・教材動画を作成するデスクトップアプリです。手元の資料をスライドに整理し、台本をスピーカーノートに集約 → 合成音声でナレーション生成 → MP4 書き出し、受講管理が必要なら SCORM 1.2 でパッケージ出力、という本ガイドの流れをそのまま 1 つのアプリ内で進められます。無料版をご用意していますので、まずは 1 テーマからお試しください。
- ✓PowerPoint から教材動画(MP4)を生成
- ✓合成音声(TTS)によるナレーション — 47 言語に対応
- ✓SCORM 1.2 パッケージ出力(LMS 配信・受講管理向け)
- ✓シーン単位の録音・字幕にも対応
導入のご相談は info@h-insight.jp まで