HARMONIC insight
🤝 実務ガイド

ハラスメント研修を動画で実施するには
全社に「同じ内容で届けて・記録に残す」進め方

パワハラ・セクハラ・マタハラなどの防止に向けた社内研修を、動画にして全従業員へ同じ内容で繰り返し実施する ための進め方を整理します。人事・総務・コンプライアンス担当の方向けに、研修で扱う内容の切り分け、受講記録(証跡)の残し方、外国人材への多言語対応までを実務目線でまとめました。特別な知識は前提としません。

所要時間:7 分 / 最終更新:2026 年 7 月

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セクション 1

なぜハラスメント研修を「動画」にするのか

ハラスメント防止の取り組みは、方針の周知と教育が土台になります。全従業員を対象に、入退社や異動があっても同じ内容を繰り返し届けたいテーマであり、集合研修だけで毎回そろえるのは負担が大きくなりがちです。動画化が選ばれるのは、次の 3 つの理由によります。

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ハラスメント防止措置は事業主に求められている

職場におけるパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置は、労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)により事業主に義務づけられ、中小企業には 2022 年 4 月 1 日から適用されています。方針の明確化と周知・啓発はその措置の一つとされており、繰り返し行う教育だからこそ、毎回同じ内容を確実に届けられる形にしておく意味があります。

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全従業員に同じ内容を繰り返し届けたい

ハラスメント研修は、新入社員・中途入社・異動者を含む全従業員が対象になり、人が入るたびに繰り返し必要になります。講師が毎回口頭で説明すると、実施回や担当者によって内容や強調点にばらつきが出がちです。一度動画にしておけば、いつ・誰に対しても同じ内容を同じ品質で届けられ、講師の日程調整にも左右されません。

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「周知・実施した」記録を残しておきたい

ハラスメント防止の取り組みでは、方針を周知し研修を実施したという記録を整えておきたい場面があります。集合形式では出席簿で管理しますが、誰がどこまで受講したかを後から確認しづらいことがあります。動画を学習管理の仕組みと組み合わせると、受講状況をそろえて残しやすくなります。

※ 本ガイドはハラスメント研修を動画で実施する運用方法を整理するもので、特定の法令解釈を示すものではありません。求められる措置の具体的な内容は、所管の指針・通達および社内規程にあわせてご判断ください。

セクション 2

研修で扱う内容の種類と動画化の相性

ひとくちにハラスメント研修といっても、扱うテーマや対象者はさまざまです。動画化との相性は内容によって変わるため、まずどの部分を動画にするかを切り分けると、進め方を整理しやすくなります。

扱う内容主な対象動画化との相性進めるときのポイント
全社共通の基礎(定義・具体例)全従業員ハラスメントの定義や該当しうる言動の例など、全員に共通する基礎は毎回同じ内容のため相性が良い「1 画面 = 1 メッセージ」で例を示しながら、まずこの基礎部分を 1 本にまとめる
会社の方針・相談窓口の周知全従業員自社の方針や相談窓口・手続きの案内は、内容が固定的で動画化しやすい窓口の連絡先や手続きは改訂が入りやすいため、後から直せるよう台本を残しておく
管理職向け(相談対応・防止の役割)管理職・リーダー層役割や基本的な対応の考え方などの座学部分は動画化に向く座学部分を動画で標準化し、事例をもとにした演習・討議は集合で補う
個別の事例検討・ロールプレイ部門・チーム単位その場のやり取りや職場固有の文脈が必要なため、動画だけで完結させにくい動画で前提知識をそろえたうえで、事例検討やロールプレイは対面で実施する

※ 扱うべき内容や周知の範囲は、所管の指針・社内規程によって異なります。動画はあくまで研修を実施する手段の一つであり、求められる措置を満たすかどうかは自社の方針にあわせてご確認ください。

セクション 3

実務の進め方 — まず全社共通の 1 本を作る

ハラスメント研修の動画化でつまずきやすいのは、あらゆる対象・テーマを一度に動画化しようとして動き出せなくなるパターンです。まずは全従業員が対象で毎年繰り返す「全社共通の基礎」を 1 本作って実施してみると、自社に合った進め方や負担の見当がつきます。

全員が対象で繰り返す基礎研修から動画化する — 定義・具体例・自社の方針といった全社共通の基礎は、毎回ほぼ同じ内容を説明するため動画化の効果が出やすいテーマです。まずそこから 1 本作り、運用しながら管理職向けなどへ範囲を広げていくと無理がありません。

既存の研修資料をスライドに整理して教材化する — 多くの教材作成・動画化ツールはスライド(PowerPoint)を素材として扱います。すでにハラスメント研修の資料がある場合は、「1 画面 = 1 メッセージ」を目安にスライドへ整理すると、そのまま動画の土台になります。

ナレーションは目的に合わせて選ぶ — 自分の声で録音する、台本から合成音声(TTS)で生成する、といった選択肢があります。毎年の改訂がある・全社で本数が多い・多言語でも用意したい場合は、台本を直せば作り直せる合成音声(TTS)が運用しやすい方式です。

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研修動画の作り方 — 6 ステップの実務ガイド

ハラスメント研修の動画も、企画 → 台本 → スライド → ナレーション → 書き出し → 配信という基本の流れは研修動画と同じです。台本の書き方やナレーションの選択肢の比較は、こちらの実務ガイドに整理しています。

研修動画の作り方を読む →

セクション 4

受講した記録(証跡)をどう残すか

ハラスメント研修は「周知・実施した記録」を残しておきたい場面があります。動画を用意したら、誰がいつ受講したかを残す方法もあわせて決めておきます。残し方は大きく 2 つです。

動画を配って視聴してもらう(MP4 共有)

まず始めるなら

ファイルサーバーや社内ポータルで動画を配り、視聴してもらう運用です。追加のシステムが不要で、すぐに始められます。一方で誰が最後まで視聴したかは記録されないため、確認テストや受講報告など別の方法で管理する必要があります。受講管理の仕組みがまだ無い段階の出発点として現実的です。

LMS で受講管理する(SCORM)

証跡が必要なら

教材を SCORM 形式で LMS(学習管理システム)に登録すると、受講者ごとの完了状況や学習時間を LMS が自動で記録します。全社研修のように実施記録の保管や未受講者の把握が必要な場面では、この受講記録がそのまま証跡になり、一覧で進捗を確認できます。無料・オープンソースの LMS もあります。

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SCORM 1.2 入門ガイド

受講記録を残すうえで避けて通れないのが SCORM 規格です。SCORM とは何か、なぜ重要か、対応 LMS、書き出しの流れまでをまとめた入門ガイドをご用意しています。サンプル SCORM 1.2 パッケージも無料でダウンロードできます。

SCORM 1.2 入門ガイドを読む →

セクション 5

つまずきやすいポイント

ハラスメント研修を動画で実施するときに引っかかりやすい点を、先回りして 3 つ挙げておきます。

動画だけで完結させようとしない — 動画は全員に共通する基礎や自社の方針を、そろえて伝えるのに向いています。一方で、職場固有の状況を踏まえた事例検討や、受講者同士のやり取りが必要な演習は、集合やオンラインの場で補うのが基本です。共通部分を動画で標準化し、対話が要る部分を対面で補う、という役割分担で考えると無理がありません。

方針・相談窓口の情報は最新に保つ — 相談窓口の担当や連絡先、手続きは変わることがあります。古い連絡先のまま研修が使われ続けると、いざというときに相談につながりません。窓口や手続きに関わる箇所は、更新のタイミングと担当を決めておき、変わったら差し替えます。台本(スピーカーノート)を残しておくと、該当箇所だけを直しやすくなります。

受講しやすい配慮を忘れない — ハラスメントはデリケートな主題です。一方的に視聴させて終わりにするのではなく、内容についての質問や相談を受け付ける窓口をあわせて案内すると、研修が「見て終わり」になりにくくなります。字幕を付ける、母語で用意するといった配慮も、伝わりやすさを高めます。

セクション 6

よくある質問

ハラスメント研修を動画で実施してもよいのですか?
研修の実施方法(対面か動画か)が一律に定められているわけではなく、方針の周知や教育が対象者に適切に届くことが重要とされています。そのため、研修を実施する手段の一つとして動画を活用することは考えられます。求められる措置の具体的な内容は所管の指針・社内規程によって異なるため、自社の方針にあわせてご判断ください。
どの内容から動画にするのがよいですか?
全従業員が対象で、定義・具体例・自社の方針といった毎回ほぼ同じ内容を繰り返す「全社共通の基礎」から始めるのがおすすめです。動画化の効果を実感しやすく、既存の研修資料を再利用できれば、ゼロから作るより早く着手できます。運用に慣れてから、管理職向けの内容などへ範囲を広げていくと無理がありません。
管理職向けの研修も動画にできますか?
役割や基本的な対応の考え方といった座学の部分は動画と相性が良い一方で、相談対応のように状況に応じた判断が必要な内容は、事例をもとにした演習・討議で補うのが現実的です。座学部分を動画で標準化し、演習は集合やオンラインの場で実施する、という組み合わせで考えると進めやすくなります。
受講した記録(証跡)はどう残せますか?
当面は動画を配って確認テストや受講報告で管理し、受講記録の保管や未受講者の把握が必要になった段階で SCORM 形式にして LMS(学習管理システム)に登録する進め方が現実的です。SCORM にすると、受講者ごとの完了状況や学習時間が自動で記録されます。詳しくは「SCORM 1.2 入門ガイド」をご参照ください。
外国人材向けのハラスメント研修にも使えますか?
使えます。台本(スピーカーノート)を各言語に用意し、合成音声(TTS)でナレーションを生成すれば、同じ教材を複数の言語で展開できます。母語で伝えることで理解度を高められます。多言語での進め方は「研修動画を多言語で展開する方法」のガイドで詳しく整理しています。

ご紹介

ハラスメント研修の動画づくりに使えるツールのご紹介

当社の Insight Training Studio は、PowerPoint を素材として研修・教育動画を作成するデスクトップアプリです。既存の研修資料をスライドに整理し、台本をスピーカーノートに集約 → 合成音声でナレーション生成 → MP4 書き出し、受講記録が必要なら SCORM 1.2 でパッケージ出力、という本ガイドの流れをそのまま 1 つのアプリ内で進められます。無料版をご用意していますので、まずは全社共通の研修 1 本からお試しください。

  • PowerPoint から研修動画(MP4)を生成
  • 合成音声(TTS)によるナレーション — 47 言語に対応
  • SCORM 1.2 パッケージ出力(LMS 配信・受講記録向け)
  • 無料版あり・キー不要ですぐに使えます

導入のご相談は info@h-insight.jp まで