HARMONIC insight
🌸 実務ガイド

新入社員研修を動画にするには
毎年繰り返す研修を「作って使い回せる」形にする

会社概要・社内ルール・ビジネスマナー・システム操作——新入社員研修の多くは、毎年ほぼ同じ内容を繰り返し説明する 研修です。この繰り返し部分を動画にしておくと、担当者の負担を平準化しながら、いつ入社した人にも同じ内容を届けられるようになります。人事・総務・教育担当の方向けに、動画化の進め方を実務目線でまとめました。特別な知識は前提としません。

所要時間:7 分 / 最終更新:2026 年 7 月

📩 公開・改訂のお知らせをメールで受け取る

EN / ZH 翻訳版・追加資料・ガイド改訂のお知らせを不定期にお送りします(解除はいつでも)。

送信時、お問い合わせフォームに必要事項が引き継がれます(最終送信はそちらで完了)。

セクション 1

なぜ新入社員研修を「動画」にするのか

新入社員研修は、社内研修の中でも特に「毎年・同じ内容を・まとまった人数へ」届ける典型です。それだけに、講師役の負担や内容のばらつきといった悩みも毎年繰り返されます。動画化が選ばれる理由は、次の 3 つに整理できます。

🔁

毎年ほぼ同じ内容を繰り返している

会社概要、就業規則や経費精算などの社内ルール、ビジネスマナー、社内システムの使い方——新入社員研修の大部分は、年が変わっても内容がほとんど変わりません。毎年同じ説明を担当者が口頭で繰り返すより、一度動画にして、変わった箇所だけ毎年直すほうが、準備の負担を減らせます。

🗓️

入社のタイミングが 4 月だけではなくなっている

中途入社や通年採用が広がると、研修の対象者は 4 月の新卒だけではなくなります。人数がそろわない時期の入社者に、そのつど集合研修を組むのは現実的ではありません。基礎部分が動画になっていれば、1 人の入社でも入社日から同じ内容の研修を始められます。

⚖️

誰が教えても同じ品質にしたい

講師役を現場の社員が持ち回りで務めると、説明の内容や強調点が担当者によってばらつきがちです。新入社員にとっては最初に受け取る「会社の公式な説明」なので、そろっていることに意味があります。動画にすれば、いつ・誰に対しても同じ内容を同じ品質で届けられます。

※ 本ガイドは新入社員研修を動画で実施する運用方法を整理するものです。安全衛生教育のように法令上の位置づけがある教育を含める場合は、別ガイド「安全衛生教育を動画で実施するには」もあわせてご参照ください。

セクション 2

新入社員研修の内容と動画化の相性

新入社員研修といっても、扱う内容は会社説明から実技指導までさまざまで、すべてが動画に向くわけではありません。まず研修の中身を切り分けて、どこを動画にするかを決めると、進め方を整理しやすくなります。

扱う内容毎年の変化動画化との相性進めるときのポイント
会社概要・沿革・理念ほぼ変わらない内容が固定的で、経営層の想いも毎回同じ品質で伝えられるため相性が良い既存の会社紹介資料をスライドに整理すれば、そのまま動画の土台になる
社内ルール(就業規則・申請手続き)改訂が入りやすい説明自体は毎回同じため動画向き。ただし改訂への追従が必要台本を残しておき、規程が変わったら該当箇所だけ直して作り直す
ビジネスマナー・社会人基礎ほぼ変わらない毎年同じ内容の繰り返しで、動画化の効果が最も出やすい「1 画面 = 1 メッセージ」で場面ごとの例を示すと伝わりやすい
社内システムの操作説明画面改修で変わる口頭説明よりも画面を見せられる動画が向く。改修時の差し替えは必要システム単位で動画を分けておくと、改修があったものだけ作り直せる
部門別 OJT・実技・グループワーク配属先ごとに異なるその場のやり取りや個別の指導が本質のため、動画だけで完結させにくい前提知識を動画でそろえたうえで、実技・対話は対面で実施する

※ 「毎年変わらない・全員共通」の内容ほど動画化の効果が出ます。逆に配属先ごとの個別指導まで動画にしようとすると本数が膨らむため、共通部分から始めるのが現実的です。

セクション 3

実務の進め方 — 来年も使える 1 本から作る

新入社員研修の動画化でつまずきやすいのは、研修カリキュラム全体を一度に動画化しようとして、準備が 4 月に間に合わなくなるパターンです。まず「毎年変わらない・全員共通」の 1 本から作り、運用しながら本数を増やしていくと無理がありません。

毎年変わらない内容から動画化する — ビジネスマナーや会社概要のように、来年もそのまま使える内容から着手すると、作った動画が長く役に立ちます。改訂が入りやすい社内ルールやシステム操作は、直しやすい作り方(台本を残す・システム単位で分ける)を意識して 2 巡目以降に回すのが安全です。

既存の研修資料をスライドに整理して教材化する — 多くの教材作成・動画化ツールはスライド(PowerPoint)を素材として扱います。例年の研修で使ってきた資料がある場合は、「1 画面 = 1 メッセージ」を目安にスライドへ整理すると、そのまま動画の土台になります。ゼロから作るより早く着手できます。

ナレーションは「毎年直す」前提で選ぶ — 自分の声で録音する方法と、台本から合成音声(TTS)で生成する方法があります。新入社員研修は毎年の改訂が前提になるため、担当者が変わっても台本を直せば同じ品質で作り直せる合成音声(TTS)が、長期の運用には向いています。

4 月から逆算したスケジュールで進める — 新卒向けに使うなら、内容の確定 → スライド整理 → ナレーション → 確認・修正の期間を見込んで、余裕をもって前年度のうちに着手します。一度作ってしまえば、翌年からは変更箇所の改訂だけで済むようになります。

🎬

研修動画の作り方 — 6 ステップの実務ガイド

新入社員研修の動画も、企画 → 台本 → スライド → ナレーション → 書き出し → 配信という基本の流れは他の研修動画と同じです。台本の書き方やナレーションの選択肢の比較は、こちらの実務ガイドに整理しています。

研修動画の作り方を読む →

セクション 4

受講した記録をどう残すか

新入社員研修は対象者がはっきりしているぶん、「誰がどこまで受講したか」を把握したい場面が多い研修です。動画を用意したら、受講記録の残し方もあわせて決めておきます。残し方は大きく 2 つです。

動画を配って視聴してもらう(MP4 共有)

まず始めるなら

ファイルサーバーや社内ポータルで動画を配り、視聴してもらう運用です。追加のシステムが不要で、すぐに始められます。一方で誰が最後まで視聴したかは記録されないため、確認テストや受講報告など別の方法で管理する必要があります。対象者が少ない時期の中途入社対応など、小さく始める段階では十分に実用的です。

LMS で受講管理する(SCORM)

進捗管理が必要なら

教材を SCORM 形式で LMS(学習管理システム)に登録すると、受講者ごとの完了状況や学習時間を LMS が自動で記録します。新卒がまとまって入る 4 月に、誰がどこまで進んだかを一覧で確認できるため、フォローが必要な人を見つけやすくなります。無料・オープンソースの LMS もあります。

📘

SCORM 1.2 入門ガイド

受講記録を残すうえで避けて通れないのが SCORM 規格です。SCORM とは何か、なぜ重要か、対応 LMS、書き出しの流れまでをまとめた入門ガイドをご用意しています。サンプル SCORM 1.2 パッケージも無料でダウンロードできます。

SCORM 1.2 入門ガイドを読む →

セクション 5

つまずきやすいポイント

新入社員研修を動画にするときに引っかかりやすい点を、先回りして 3 つ挙げておきます。

カリキュラム全体を一度に動画化しようとしない — 新入社員研修は科目数が多く、全部を動画にしようとすると準備が終わりません。初年度は「毎年変わらない・全員共通」の数本にとどめ、集合研修と併用しながら、効果を見て翌年に本数を増やすほうが確実です。

動画で研修を完結させようとしない — 新入社員研修には、知識を伝える以外に、同期や先輩とのつながりを作る役割もあります。質疑応答・グループワーク・配属先での OJT は対面の価値が大きい部分です。知識のインプットを動画で標準化し、対話が要る部分に集合の時間を使う、という役割分担で考えると無理がありません。

毎年の改訂を「仕組み」にしておく — 社内ルールや体制は毎年少しずつ変わります。作った動画を放置すると、古い手続きを新入社員に案内してしまうことになりかねません。年度末に見直す担当とタイミングを決めておき、台本(スピーカーノート)を残しておくと、変わった箇所だけを直して作り直せます。

セクション 6

よくある質問

新入社員研修のどの科目から動画にするのがよいですか?
「毎年変わらない・全員共通」の科目からがおすすめです。具体的にはビジネスマナー・会社概要・理念などが該当します。作った動画が翌年以降もそのまま使えるため、動画化の効果を実感しやすく、既存の研修資料を再利用できればゼロから作るより早く着手できます。改訂が入りやすい社内ルールやシステム操作は、直しやすい作り方を意識して 2 巡目以降に回すと安全です。
集合研修はやめて全部動画にすべきですか?
全部を動画に置き換えることはおすすめしません。新入社員研修には、知識を伝える役割のほかに、同期や先輩とのつながりを作る役割があります。知識のインプット部分を動画で標準化し、質疑応答・グループワーク・OJT など対話が必要な部分に集合の時間を充てる、という組み合わせが現実的です。
中途入社にも同じ動画を使えますか?
使えます。むしろ中途入社対応は動画化の効果が出やすい場面です。1 人だけの入社でも、集合研修を待たずに入社日から同じ内容の研修を受けてもらえます。新卒向けの内容のうち社会人基礎などを除き、会社概要・社内ルール・システム操作を中途入社向けセットとして組み替えると運用しやすくなります。
毎年の内容更新はどうやって運用すればよいですか?
台本(スピーカーノート)を残しておき、年度末など決まったタイミングで見直す運用がおすすめです。ナレーションを合成音声(TTS)で生成する作り方にしておくと、変わった箇所の台本を直すだけで、収録し直すことなく同じ品質で作り直せます。改訂が入りやすい科目(社内ルール・システム操作)を独立した動画に分けておくと、差し替えが最小限で済みます。
外国籍の新入社員にも対応できますか?
できます。台本(スピーカーノート)を各言語に用意し、合成音声(TTS)でナレーションを生成すれば、同じ教材を複数の言語で展開できます。母語で伝えることで理解度を高められます。多言語での進め方は「研修動画を多言語で展開する方法」のガイドで詳しく整理しています。

ご紹介

新入社員研修の動画づくりに使えるツールのご紹介

当社の Insight Training Studio は、PowerPoint を素材として研修・教育動画を作成するデスクトップアプリです。例年の研修資料をスライドに整理し、台本をスピーカーノートに集約 → 合成音声でナレーション生成 → MP4 書き出し、受講管理が必要なら SCORM 1.2 でパッケージ出力、という本ガイドの流れをそのまま 1 つのアプリ内で進められます。台本を直せば翌年の改訂版も同じ品質で作り直せます。無料版をご用意していますので、まずは毎年変わらない研修 1 本からお試しください。

  • PowerPoint から研修動画(MP4)を生成
  • 合成音声(TTS)によるナレーション — 47 言語に対応
  • SCORM 1.2 パッケージ出力(LMS 配信・受講記録向け)
  • 無料版あり・キー不要ですぐに使えます

導入のご相談は info@h-insight.jp まで